「何の前触れもなく、いきなり動悸が激しくなり、息苦しさ、冷や汗、めまい等の症状が現われ、手足が震えたり、脱力感に襲われたり、吐き気を催したり・・・」パニック障害の多くはこのような症状で始まります(人によって違いますが)。
それは「何か重大な病気かもしれない、このまま死んでしまうかもしれない」と思わせる激しいものにもかかわらず、病院に担ぎ込まれてさまざまな検査を受けても異常が認められず、「気のせい」「疲れでしょう」等と納得のいかない診断を受け、すごすごと帰ってくる、ということが多いようです。
そのため、なかなか周囲の人々に理解されにくく、家族にさえも理解されずに一人で悩み、心を閉ざしてしまう患者さんもたくさんいるようです。
また、パニック障害によく見られる症状として「予期不安」「広場恐怖」が挙げられます。
「予期不安」というのは「またあの恐ろしい発作が起こったらどうしよう?」という不安のことで、それが原因で外出や人込みを極端に避けたり、乗り物に乗れなくなったりします。
また「広場恐怖」とは、発作を起こした場所が恐怖の空間になってしまい、その場所に行けなくなる(いられなくなる)というものです。
いずれにしても、周囲の人の理解が得られず、患者さん自身も「なぜ、このくらいのことが…」とは思いつつもひどい恐怖感にさいなまれることになります。
また、よく慌てふためく様を「パニクる」と言ったりしますが、そういう状態とはまったく違うものです。
上記のような症状(パニック発作)が起こったからといって、安易に「パニック障害」と診断されるわけではありません。1回きりの発作で終わってしまいその後何事もないようなものは、パニック障害とは言いません。
次のような症状が、4つ以上同時に起こり、10分以内にピークに達すること、同様の発作が繰り返し起こること(4週間に4回以上)、または発作を起こしてから1ヶ月以上、また発作が起こるのではないかという不安状態が続く、などの症状があればパニック障害と診断される可能性大とされています。
|
1.動悸、心悸亢進、または心拍数の増加 2.発汗 3.身震いまたは震え 4.息切れ感または息苦しさ 5.窒息感 6.胸痛または胸部不快感 7.吐き気または腹部の不快感 8.めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、気が遠くなる感じ 9.現実感消失または離人症状(自分が自分でないような感じ) 10.コントロールを失うこと、または気が狂うことに対する恐怖 11.死ぬことに対する恐怖 12.異常感覚(感覚麻痺、またはうずき感) 13.冷感または熱感 |
ちなみに、私は9つも当てはまってしまいました。
原因としては、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れて起こると考えられています。要するに「脳の誤作動」です。緊急事態でもないのに脳が「緊急事態発生!」の信号を発してしまうのです。だから、決して「気のせい」などではないのです。また、命にかかわる病気でもありません。
|
ただし、似たような症状を引き起こす他の病気もありますので |
さて、ここから私が一番理解していただきたいことを書きます。
発作や予期不安、広場恐怖といった症状は、患者さん自身にはコントロールしがたいものであり、まったく自分の意志に反して、突然、恐怖感や不安感がワーッと襲ってくるのです。想像してみてください。常に緊張状態、警報は鳴りっぱなし、という状況に置かれたら、どんな人でも疲れ果ててしまうでしょう。ひどい場合は人生投げ出したくもなるでしょう。
だから、あなたの近くにもしそういう人がいたら「根性がないんだよ!」とか「何を甘えているんだ!」などとは絶対に口にしないでほしい。できれば「もし自分がそういう状況に陥ったら?」と考えてみてください。そしてできる限り理解してあげてください。発作が起こるのは、決して「気のせい」「気の持ちよう」などではありません!
せめてこのことだけは、皆さんに理解していただきたいと思っています。私も「気の持ちようだよ」と言われてひどく傷ついた経験があります。
私の“Xデー”は、仕事中に突然やってきました。緊張するような場面でもないのに、突然、動悸が激しくなって息苦しくなり、手足が痺れていくのを感じたのです。その時は、特に仕事に対してストレスを感じていた訳でもなく、強いて挙げれば「今日はここまでやってしまおう」という焦りにも近い気持ちがあり、トイレに行くのを我慢して仕事していた、ということくらいでした。でもそんなことは日常茶飯事であって・・・。つまり「これだ!」と思い当たることが、特になかったのです。
「とりあえず用足ししてこよう」そう思い、席を立ちました。ところが、仕事場に戻る時、妙なふらつき感・脱力感(膝に力が入らず“カックン”となる感じ)と、気が遠くなって目の前が真っ白になっていくのを感じたのです。「これは変だ!」近くにいた同僚に助けを求め、自分の席まで連れて行ってもらいましたが、そうしている間にもどんどん目の前は真っ白になり、息が苦しい! そして痺れは全身に広がっていく・・・。
「ソファに横になれ!」同僚に抱えられるようにしてソファに横になりました。同僚を安心させるために作った笑顔もおそらく引きつっていたことでしょう。自分では分からなかったのですが(鏡なんて見る余裕ないし)顔は真っ青だったようです。
しばらくソファで休んでいましたが、結局、(当時の)上司が救急車を呼んでくれ、私は病院に担ぎ込まれることになってしまいました。内心「大事(おおごと)になってしまったぞ」と焦ったのですが、体の自由が利かず顔面蒼白、見るからに重病人っぽい私、人目も気になったけれど、もうそれどころではありません。まるでドラマの1シーンのごとく運ばれていくことに・・・。
そして病院にて。かかりつけの病院(ちなみに精神科はない)だったので、医師も看護婦も顔見知り(ちとハズカシイ)。症状からして、緊急に処置が必要な心臓等の病気ではない、と判断されましたが、とりあえず「血液ガス分析」という検査を受けました。それは手首の動脈(脈打っている所)から採血して、二酸化炭素濃度を調べるというもの。それが痛いのなんの!
結局「過換気症候群」(要するに酸素の採りすぎ)という診断で、原因は「ストレスでしょう」とのこと。肩に精神安定剤の注射をブツッ! と打たれ、その後一晩中点滴・・・病院に一泊することになったのでした。
その時しつこいほど「思い当たることは?」「何か嫌なことでもあった?」「最近、仕事が忙しかった?」等と聞かれたのですが、心当たりのない私は「別に・・・」としか答えようがありませんでした。
翌朝、心電図等の検査も受けましたが、異常なし。そして、その日の午前中のうちに退院しました。退院した当日はふらつきがひどく、ただ横になっているしかありませんでしたが、その翌日には仕事に行きました。やれやれ・・・一体何だったんだろう?
ところが。それからというもの、同様の発作を毎週(なぜか水曜日)起こすようになってしまったのです。知人には「水曜症候群」と命名される始末。再び病院に行き(今度は救急車ではなく自力で)、再び心電図を取っても、やはり異常なし。ま、とにかく心臓は大丈夫なんだし、コレで死ぬこともないようだし・・・と妙に冷静になってしまった私。「センセ、どうしたらいいでしょうね?」「んなら、ここに行ってごらん」手渡されたのは精神科の案内でした。
私は以前(就職したばかりのころ)にもうつ状態になり、精神科通院歴があったため、さほど抵抗もなく、すぐ精神科に駆け込みました。そこであっさりハッキリ「パニック・ディスオーダー(パニック障害)ですね」と病名を告げられました。その時「やっかいな病気を抱え込んでしまった」という気持ちよりも「命にかかわる病気じゃなくてよかった」という安堵のほうが大きかったのを覚えています。ある程度予備知識があったので、病名が分かったことで安心できたのでしょう。
その後、症状は良くなったり悪くなったり。やはり疲れやストレスが溜まったりすると悪化します。現在は3種類の薬(パキシル・ソラナックス・メイラックス)を飲みながら、普通に仕事して(時々休みながら・・・)普通に子育てをしています。若干の予期不安はありますが(出先で発作を起こすのが怖い)、広場恐怖はほとんどないため、地下鉄通勤も可能です。薬を飲んでいる以上は普通に生活できるようです。一生、薬の世話になるかも知れないなぁ・・・それも、ま、いいか〜。
正直なところ、前述の「広場恐怖」があまりない私は、かなり軽症の部類に入るのでしょう。それでも一時期は「外出時に薬を忘れないように…」と、まるで“命より大事なお薬様”のように思ってどんな時でも常に薬を持ち歩いていたし、満員電車も避けていました。
また、これは元々なのかもしれませんが、人ごみがダメ。だからお祭りなどの人が集まるところは避けています(どうせなら人ごみに揉まれることなく“見られる側”になればいいじゃないか! と始めたのが“すずめ踊り“であった…)。
その他、一応、私なりの対応策を書きます。参考までに…
|
気をつけていること
|
それをするとどうなるか?
|
|
コーヒーを飲む
|
カフェインは発作を引き起こすと言われています。以前はインスタントなら飲めたのですが、今はあの「香り」だけで発作を起こしそうになります。それこそ「気の持ちよう」なのでしょうが…(だって、紅茶や緑茶は平気♪)。ということで、仕事の外回りで行く先々で「コーヒーにしますか?」と言われると「ごめんなさい、コーヒー苦手なんです…」と言ってしまいます。飲んでしまうと、後で乗り物酔いみたいな状態になり…うぅ〜めまいと吐き気がぁ〜 パニック障害でない人も、コーヒーの飲みすぎは心臓バクバクの元ですよ。気をつけましょう。 |
|
お酒を飲む
|
ホントは止められているのですが…どうしても「飲まなきゃやってらんねぇよ!」ということもありますよね〜?(と、同意を求める) そんな日は、夜の薬を昼に飲んで、夜は薬を飲まない。これは、お医者さんに「どうしてもお酒を飲むときはそうしてください」と言われた方法。もちろん、飲まないに越したことはないですが。二日酔いを知らない私が、記憶を飛ばしてますから…コワイです。 |
|
適度に体を動かす
|
これは、ストレス解消になって、いいです。ただし、無理をしないように! 動悸が気になる人は、あまり息のはずまないものから徐々にやっていくといいのでは。私は治療の一環と考えて「すずめ踊り」やってま〜す。 |
|
救急車を
間近で見る |
2度も職場に救急車を呼びつけて、重病人さながらに病院に担ぎ込まれた経験のある私、さすがにトラウマになりましたねぇ。でも、最近は街中で救急車を見かけても平気になってきました。前はドキドキしてました。 救急車って案外乗り心地悪いんですよね。スピードを緩めた時に、頭に血がのぼる感じがし、「慣性の法則」を身をもって体験することになります。2回目の時に「横向きで運んでください」とお願いしたものの、やっぱりキモチワルかった…。 |
|
発作を起こした
場所に行く |
これも、克服に少し時間を要しましたが、一度「あ、大丈夫なんだ!」と思えればしめたもの。薬の力を借りてでも、行動範囲を広げられたほうがいいですからね。私の場合は「メイラックス様様」です。 |
これはあくまでも「私の場合」ですので、参考までにとどめてくださいね♪
HOMEに戻る
パニック障害とは? | うつ病は「ココロの風邪」 | 入院体験記 | 「小児てんかん」について
| ココロの豆知識 | 親バカの部屋 | すずめの止まり木 | 癒しのぺっとる〜む
| お星のお部屋 | 私のリヴリーの部屋 | ここがヘンだよ公務員 | 「障害者“自殺”支援法」をぶっ潰せ!